寝袋
キャンプの寝袋選びの基本

キャンプの寝袋って悩み所ですよね。

キャンプ初心者だった時は安い通販で目についた安い物でいいかも知れませんが、冬でもキャンプに行く様になるとちゃんとした物を選ばないと、寒さに耐えて一晩を過ごすなんて最悪です。


寝袋に表示されている快適温度は行動服を着用したまま寝た時の使用温度なので、キャンプでは5〜10度ほど差し引いて考えて選びましょう。

他に選ぶポイントは寝袋の形です。マミー型か封筒型か、足元に余裕が欲しい人は封筒型がオススメですが、余裕がある分スースーします。なので足元がタイトでも気にならない方は、冬はマミー型にするのが良いと思います。

「マミー型は窮屈で…. 」と言う人は海外のメーカーの大きめの物を選択肢に入れるかモンベルの『スーパースパイラルストレッチシステム』のように伸縮する寝袋も有ります。

筆者は体が横に大きいですが、このタイプを使っていてとても快適です。

マテリアルによる違い

寝袋の素材は、大きく分けて化学繊維(合成繊維)、ダウン(羽毛)の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

化学繊維(合成繊維)

特徴
  • 保温性: 湿気に強く、濡れても保温力を維持しやすい。
  • 重量: ダウンに比べるとやや重い。
  • 圧縮性: ダウンほどは圧縮できない。
  • 耐水性: 優れており、濡れても性能を発揮。
  • 価格: 比較的安価。
  • 乾燥性: 乾きやすい。
  • アレルギー: アレルギーを引き起こしにくい。
代表的な中綿

ポリエステル: 耐久性が高く、速乾性があります。
ポリプロピレン: 軽量で吸湿性が少ないです。
プリマロフト: 高い保温性と圧縮性を持つ先進素材。

使用シーン

湿気が多い環境や、雨天が予想されるキャンプ。
頻繁に使用する場合や、メンテナンスが楽なものを求める場合。

ダウン(羽毛)

羽毛

「グースダウン(ガチョウの羽毛)」と「ダックダウン(アヒルの羽毛)」の特徴、メリット・デメリット、選び方について詳しく解説します。

グースダウンとは

グースダウンは、ガチョウの胸下にある大きく柔らかい羽毛で、ダウンの中でも特に高品質とされています。軽量で高い保温力を持ち、寒冷地での使用に優れています。

特徴
  • 高い保温性: 他の素材と比べて非常に優れた保温力を持ち、極寒の環境でも高い断熱効果を発揮。
  • 軽量で高圧縮性: 保温性に対して非常に軽く、圧縮性も高い。
  • 通気性と調湿性: 自然な通気性を持ち、内部の湿気を放出し、快適さを保ちます。
  • 柔らかさ: 柔らかい感触で、快適な使用感を提供。
メリット
  • 高い保温力: 軽量で高い断熱性を持ち、寒冷地での使用に最適。
  • 軽量: 寝袋や衣類全体の重量を減らせます。
  • 高圧縮性: 収納時にコンパクトになり、持ち運びが楽。
  • 快適性: 柔らかく、体にフィットしやすい。
デメリット
  • 湿気に弱い: 濡れると保温力が低下し、乾きにくい。
  • 価格が高い: 化学繊維やダックダウンに比べて高価。
  • アレルギーのリスク: 羽毛アレルギーを引き起こす場合があります。
  • 動物福祉の懸念: ダウンの採取方法によっては動物福祉の問題があることがあります。
ダックダウンとは

ダックダウンは、アヒルの胸下にある小さくふわふわした羽毛です。ガチョウに比べて飼育が容易なためコストパフォーマンスも優れています。

特徴
  • 保温性: 空気を多く抱え込み、寒冷地でも高い保温力を発揮しますが、グースダウンにはやや劣ります。
  • 柔軟性と圧縮性: 圧縮性が高く、コンパクトに収納可能です。
  • 安定供給: アヒルの飼育が広く行われているため、安定して入手できます。
メリット
  • 価格が手頃: グースダウンに比べて安価で、コストパフォーマンスが良い。
  • 良好な保温性: 寒冷地でも十分な保温力を持ちます。
  • 柔軟で高圧縮性: 収納しやすく、持ち運びが便利。
  • 安定した供給: アヒルの飼育が容易で、容易に入手可能。
デメリット
  • 保温性で劣る: グースダウンと比べると、同じフィルパワーでやや保温力が劣ります。
  • 匂いの問題: グースダウンより匂いが強い場合があります。
  • 羽毛の質: 羽毛が小さいため、同等の保温性を得るには多くの量が必要です。
  • 湿気に弱い: 濡れると保温力が低下します。

ダウン寝袋の選び方のポイント

フィルパワー(Fill Power)
  • 500-700: 日常的な使用やコスト重視の方に向いています。一般的な保温性とコストのバランスが取れています。
  • 700以上: 高品質で、軽量ながら優れた保温力を提供。特に寒冷地での使用に適しています。
ダウンとフェザーの混合率
  • 90/10: 高い保温性を持つ高品質の組成で、特に寒冷地での使用に最適。
  • 80/20: 保温性とコストのバランスが良い。一般的な使用や軽度の寒冷地に適しています。
撥水加工

最近は撥水加工されたダウンも登場しました。この商品は、湿気に強いので、湿度の高い環境や雨が予想される場所での使用に役立ちます。

使用シーン

乾燥した寒冷地での使用。
軽量化やコンパクトさを重視する場合。

使用するシーンや条件に合わせて最適な素材を選び、アウトドアライフをより快適に楽しみましょう!

メンテナンス方法

ダウンと化繊(化学繊維)の寝袋のメンテナンス方法について、以下に詳しく説明します。

ダウン寝袋のメンテナンス方法

1. 日常のお手入れ
  • 換気: 使用後は風通しの良い場所で十分に換気しましょう。寝袋を収納する前に完全に乾燥させることが重要です。
  • 汚れの除去: 汚れが付着した場合は、乾いた布で軽く拭き取るか、専用のダウンクリーナーを使用して汚れを落とします。
2. 洗濯
  • 手洗いが基本: 洗濯はできる限り手洗いを推奨します。専用のダウン洗剤を使用し、お風呂など大きな容器で寝袋全体を優しく洗います。
  • 洗濯機の使用: 洗濯機を使用する場合は、大型の洗濯機を選び、低い水温(30℃以下)で、やさしい洗濯サイクルを選択します。遠心力は低めに設定しましょう。
  • すすぎと乾燥: 充分なすすぎを行い、押し絞って水気を取ります。その後、寝袋を平らに広げて陰干しし、完全に乾燥させます。乾燥機を使用する場合は、低温設定で行います。
3. 収納
  • 保管: 使用しない間は、乾燥した状態で保管します。長期間保管する場合は、通気性のある袋に入れ、湿気や虫から守ります。

化繊(化学繊維)寝袋のメンテナンス方法

1. 日常のお手入れ
  • 換気と揉み洗い: 使用後はよく換気し、表面の汚れを柔らかいブラシで軽く揉み洗いします。必要に応じて、濡れた布で汚れを拭き取ります。
2. 洗濯
  • 洗濯機可: 多くの化繊寝袋は洗濯機で洗えます。洗濯機を使用する場合は、製品に記載された指示に従い、適切な洗濯設定で洗います。通常は低温で洗濯し、洗剤は中性のものを使用します。
3. 乾燥と収納
  • 乾燥: 洗濯後は陰干しします。直射日光を避け、風通しの良い場所で乾燥させます。
  • 収納: 完全に乾燥したら、通気性のある袋に保管します。湿気やカビを防ぐため、長期保管時は定期的に取り出して換気します。
注意点
  • 直接の熱や強い圧力: ダウン寝袋は乾燥機の高温設定や強い圧力を避け、化繊寝袋は過度な熱や力を加えないように注意します。
  • 専用の洗剤: ダウンや化繊寝袋用の洗剤を使用することで、寝袋の性能や耐久性を保つことができます。

寝袋のメンテナンスは、使用寿命を延ばし、快適さを保つために重要です。製品のラベルや取扱い説明書に従いながら、適切な手入れを行いましょう。

まとめ

寝袋は、あなたに最適な素材で選ぶことが重要です。ダウンは「軽量・高圧縮性・高保温性」が求められる乾燥した寒冷地での使用に最適です。一方、化学繊維は「湿気・耐水性・速乾性」を重視し、湿気が多い環境や雨天での使用に適しています。

なので、キャンプでの使用は、化繊の寝袋の方が気をつかわないので良いかも知れませんね。